職位請負と労務派遣は何が違うのか？両者はその定義から見て、本質的に異なります。職位請負と労務派遣の共通点は、どちらも人材請負サービス事業者と労働者の間で契約が結ばれるところです。
1. サービスの性質の違い
雇用事業者から見て、職位請負はある特定の独立したプロジェクトの一切の労務サービスに対して用いられます。労務派遣事業者が提供するのが派遣社員です。
2. 雇用ニーズの違い
職位請負では、発注事業者が必要なのは請負企業が自身のために完了を約束する「仕事量」であり、請負側がどれだけの労働力を必要とするのかについては、発注事業者とは実質的に無関係となります。
労務派遣では、雇用事業者が必要なのは派遣事業者が自身のために提供を約束する「派遣社 員」の人数であり、派遣社員がどれだけの仕事量を完了するのかについては、派遣事業者と実質的に無関係となります。
3. 雇用範囲の違い
労務派遣は雇用事業者の特定の職位に向けて行うものであり、特定のプロジェクトに対して従業員を派遣するものではありません。派遣社員は通常、ある特定の独立したプロジェクトの雇用数の一部のみを占めます。
しかし職位請負は雇用事業者の特定のプロジェクトのために提供するものであり、特定の職位を請け負うものではなく、且つ請負社員はプロジェクト全体の雇用数の一切を占めます。
4. 契約の性質の違い
労務派遣が締結するのは労務派遣契約で、職位請負が締結するのは職位請負契約です。両者はサービスの性質と契約の性質が全く異なります。労務派遣契約において雇用事業者は派遣事業者が提供する派遣社員数に従って費用を決算し、その決算方法は【社員数×単価】となります。
請負契約において発注事業者は請負事業者が完了した仕事量に従って費用を決算し、その決算方法は【仕事量×単価】となります。
5. 決算基準の違い
労務派遣サービスの決算基準は「労働力」、つまり「社員数」です。
職位請負の決算基準は「仕事量」、つまり「プロジェクト数」です。
6. 管理者の役割の違い
労務派遣事業者の社員は雇用事業者の管理を受け、ある管理スタッフが元々派遣社員だとしても、そのスタッフが代表・行使するのは依然として雇用事業者の管理職能となります。
職位請負事業者の社員は職位請負事業者の管理を受け、発注事業者は職位請負社員の直接管理に参与しません。
7. サービス主体の違い
労務派遣事業者は必ず労働契約法および会社法の関連規定に基づき設立し、登記資本は50万元を下回ってはならない法人実体となります。
職位請負における請負側は法人またはその他の実体、または個人でも可能です(実質上個人請負は往々にして労働関係と判決されるため、個人への請負依頼はお勧めしません)。
8. 相互関係の違い
職位請負は発注事業者と請負事業者の双方間でのみ関係が生じ、発注事業者と請負事業者の社員間では決していかなる法律関係も存在せず、いかなる契約を結ぶ必要なもありません。
労務派遣は三者契約関係であり、派遣社員と派遣事業者、そして雇用事業者のいずれとも法律関係が生じます。雇用事業者は派遣社員との間で職位・労働規律・賞与計算・安全生産・機密保持などの事項に職責契約を締結しなければなりません。
9. 適用される法律の違い
職位請負は経営サービスプロジェクトの一環として、発注事業者と請負事業者の間の関係処理には『契約法』が適用されます。労務派遣は雇用方式の一種として、派遣方、雇用方、派遣社員方の三者間の関係処理には『労働契約法』が適用されます。
10. 違法責任の違い
職位請負サービスにおいて、発注事業者と請負事業者の社員の間には決して法律関係は生じず、必要な安全生産条件を必ず確保する以外に、請負事業者の社員にはいかなる法的責任をも負う必要がありません。
労務派遣関係において、業務が派遣社員に損害を生じさせた場合、労務派遣事業者と雇用事業者は、『労働契約法』に基づき必ず連帯賠償責任を負わなければなりません。
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